現在、日本では高齢化により医療・介護現場の人手不足が問題視されています。そのため、現場の業務効率の改善に対応すべくクラウドサービスの導入が注目を集めているのを知っていますか?
この記事では、医療・介護業界におけるクラウドサービスの導入に関連するメリットと課題について紹介しています!
- クラウドサービスを導入しようか迷っている
- 今よりもっと業務の効率化を図りたい
- 情報のセキュリティに関心がある
以上のような医療・介護従事者の方はぜひ参考にしてみてください
目次
クラウドサービスを導入するメリット5選
業務効率化を図ることができるクラウドサービスですが、他にもさまざまなメリットがあるので紹介していきます。
メリットから、実際の業務と重ね合わせてイメージしてみましょう。
1.データの共有とアクセスの容易化
クラウドサービスを利用すると、医療機関や介護施設内のリアルタイムなデータや情報を容易に共有できます。医師や看護師、介護士などの関係者は、最新の必要な情報を確認し、迅速に対応にあたることができるのです。これにより、連携が強化され、意思決定や治療計画の効率化を図ることができます。
2.コスト削減
システムを構築する際、稼働させるためのサーバー機器が必要になります。ですが、クラウド版はサーバーの設置が必要ないため初期費用の削減ができます。
また、比較的低価格のサービスが多いですし、サーバールームや冷却システムなどの設備投資も必要ないのでランニングコストを抑えることができるのです。
3.出先からでもアクセス可能
クラウドはどこからでもデータのやり取りが可能です。職員が携帯やタブレットから利用することができ、訪問看護や訪問介護にも活用することができます。
また、スタッフの柔軟な働き方が可能となります。
4.災害や障害に強い
クラウドサービスプロバイダーは、データの冗長性を確保するために複数のデータセンターを保有しています。データは複数の場所にバックアップされ、1つのデータセンターが障害や災害によって影響を受けた場合でも、他のデータセンターからデータにアクセスできるのです。これにより、データの損失や中断を最小限に抑えることができます。
また災害に備え、災害復旧と継続性計画が策定されています。災害発生時やシステムの障害時に備えて適切な対応策が取られる仕組みです。例えば、データセンターの運用地域を分散し、地震や自然災害の影響を最小限に抑えることができます。
5.インテグレーションと相互運用性
クラウドサービスは他のシステムやアプリケーションとのインテグレーションが容易であり、データの相互運用性が高まります。そのため、医療機関や介護施設の既存システムとの連携やデータの統合もスムーズに行えるのです。多職種連携を強化することが期待できます。
メリットのまとめ
以上、メリット5選はいかがだったでしょうか。
クラウドサービスを導入することで簡単に情報共有ができ、業務効率の改善・多職種の連携の強化を促進することが期待できます。
クラウドサービスの課題4選
メリットの多いクラウドサービスにも課題点は存在します。
適切にクラウドサービスを導入し、利用していくためにも課題点を把握しておくべきですよ。
1.プライバシーとセキュリティリスク
医療情報や個人情報などの機密データをクラウド上で管理することは、セキュリティリスクを伴います。クラウドサービス提供元やその他の第三者が不正アクセスやデータ漏洩のリスクに晒される可能性はないとは言えません。したがって、適切なセキュリティ対策が必要であり、データの保護とプライバシーの確保に対する懸念があります。
2.インターネット接続の信頼性と可用性
クラウドサービスを導入すると、臨床情報や患者データへのアクセスが常に必要となります。そのためインターネット接続の信頼性と可用性が重要になってきます。ネットワークの障害や停止が発生した場合、医療・介護の提供に支障をきたす可能性があるため、安定した稼働について課題が残っています。
3.データ移行とシステム統合の難しさ
既存の医療情報システムや介護業務支援システムとのデータ移行やシステム統合は、複雑さを伴う場合があります。異なるシステム間でのデータの整合性や一貫性を確保するために、慎重な計画と適切な技術的対応が必要です。
4.学習とトレーニングの必要性
クラウドサービスの導入により、医療従事者や介護スタッフは新しい技術の学習やトレーニングが必要となります。システムの操作やデータの管理方法を習得するための時間とリソースが必要です。システムのトレーニングや教育プログラムを提供することで、従業員の能力向上とスムーズな移行を支援する必要があります。
課題点のまとめ
以上、クラウドサービスの課題4選についてはいかがだったでしょうか。
やはりネットのセキュリティリスクやネット環境、移行への難しさはこれからも伴ってくるでしょう。しかし、少しずつではありますがこれらの課題点を克服するための施策も考案されています。導入を考えているところは適切なセキュリティ対策、信頼性の高いインターネット接続、データ移行や従業員の教育の計画をしておきましょう。
医療・介護業界におけるクラウドサービス具体例3つ
上記では、クラウドサービスのメリットと課題点について述べましたが、具体的にどのよう場面で活用されるのか、知りたい方もおられるでしょう・
以下では、クラウドサービスの活用形態について紹介します。
電子カルテ管理
医療機関で使用される電子カルテは、クラウド上で管理・保存されます。医師や看護師はクラウドを介して患者の健康情報にアクセスし、必要なデータを入力・参照できるのです。
在宅医療・介護支援
クラウド上で提供される在宅医療や介護支援サービスでは、患者や高齢者が自宅で医療やケアを受けることができます。医療情報や診断結果の共有、遠隔相談や薬剤管理などがクラウドを通じて行うことができるのです。
研究・データ解析
クラウドを利用したデータ解析サービスは、医療・介護データの収集と分析を支援します。研究機関や医療機関はクラウド上でデータを管理し、大規模なデータセットを用いた研究や予測モデルの構築を行うことができます。
まとめ
医療・介護業界におけるクラウドサービス導入によるメリットと課題点についていかがでしたか。
クラウドサービスの種類は多岐にわたり、活躍する場もさまざまです。ニーズに応じて課題の解決に導いてくれることでしょう。医療機関や介護施設での情報共有と連携が容易になれば、医療の連続性やケアの質を向上させることができますよ。