ますます高齢化していく中、介護や福祉に関わる専門家の存在が重要性を増しています。なかでもケアマネジャーは、高齢者が適切なサービスと支援を受けられるよう役割を果たしています。活躍する場も多くなってきており、ニーズの高い資格です。ケアマネジャーになるには、受験資格に「実務経験」が必要でなるまでに少し時間がかかりますし、難しい試験に合格しなければなりません。
本記事では、ケアマネジャーになるために取得方法やメリットなど解説していきます。資格をとるまでの道筋は簡単ではありませんが、取得できればおおきな財産となります。ケアマネジャーになりたい、スキルアップをしたいと考えているといった方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ケアマネジャー（介護支援専門員）とはどのような資格か
ケアマネジャー（介護支援専門員）は、それぞれの利用者に合ったケアプランを立てる役割をもっています。利用者の相談や心身の状況に応じて、介護サービスを受けられるようケアプランの作成から市町村への連絡、ご家族の方と面談などを行っています。具体的な業務内容は下記の通りです。
- 介護サービスに関する相談対応
- 要介護認定の申請代行
- ヒアリング
- ケアプランの作成
- モニタリング
- 介護報酬の給付管理
以上のような業務があげられます。介護サービスを利用する際にはなくてならない存在であり、介護保険のスペシャリストです。
ケアマネジャーの取得方法
ケアマネジャーを取得するためには、まず受験資格を得るために特定の業務に通算5年以上（かつ900日以上）の実務経験が必要です。受験資格を満たした後は、年に1回行われる「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、実務研修を修了するとケアマネージャーとして働けます。 また、ケアマネジャーの資格取得後は5年ごとに更新が必要です。更新のための研修内容はケアマネジャーとして実務経験があるかないかで異なります。 豊富で専門的な知識量と十分な実務経験を要するため、資格取得までは5年～8年はかかります。通信講座を利用しながら、毎日地道に勉強を重ねていく必要があるでしょう。
ケアマネジャーの難易度
ケアマネジャー試験の合格率は約10〜20％と言われており、かなり難易度が高いです。要因として、解答方式が「5肢複択」である点があげられます。1つの問題に対して正しい解答を2つ選択するといった形式で、選択したもの全てが合っていなければ正解になりません。難しい形式が採用されているため、難易度が高くなっています。
また、2018年に受験資格が厳格化されたことも合格率が低い理由のひとつです。
働きながらだと学習時間の確保が難しいかもしれませんが、合格ラインに届くよう毎日の積み重ねを大切にしましょう。
ケアマネジャーを取得する3つのメリット
ケアマネジャーを取得するメリットを3つご紹介します。資格取得後はどのようなメリットが得られるのか、実際何か変わるのか、以上のような疑問を知りたい方に解説していきます。資格がどのように生かされるのか参考にしてみてください。
キャリアを多様化できる
ケアマネジャーは、利用者に合った支援を提供する専門家です。健康管理、社会的サポート、アドバイスなど多岐にわたりサービスを提供します。ケアマネジャーが活躍する場は、介護施設だけでなく、医療機関や行政機関、企業などさまざまな分野で活かされます。自身の興味やスキルに合わせて異なる環境で働ける選択ができるようになるでしょう。
昇給が期待できる
ケアマネジャーを取得すると、介護業界でも上位資格のため昇給が期待できます。介護職員とケアマネジャーの給与を比較すると下記の通りです。
参考：厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
以上のように、ケアマネジャーになると介護士と比較して約50,000円も給与に差が出ます。安定した給与をもらいたいと考えている方には、1つの選択肢となるでしょう。
ワークライフバランスの整った環境で働ける
ケアマネジャーはケアプランの作成であり、基本的に夜勤はありません。さらに、日曜日や祝日は休みのことが多いです。日勤が中心となるためプライベートとバランスを大切にできます。安定した勤務時間で、家事や育児、プライベートの時間もとれるでしょう。また、介護業務にあたらなければ自身の身体への負担も軽減できます。融通のききやすい環境で働きたい人にはおすすめです。
資格取得後活かせる就職先
ケアマネジャーを活かせる就職先についてご紹介します。就職先については、主に下記の通りです。
居宅介護支援事業所
介護老人保健施設
特別養護老人ホーム
療養型医療機関
グループホーム
ショートステイ
デイサービス
地域包括支援センターなどの公的機関
以上のような、介護施設・事業所全般の就職が可能です。ケアマネジャー取得後は、職場の選択肢は劇的に増えます。勤める場所によって業務内容や給与面も変わるので、自身に合いそうな職場を選択するためにも、条件の優先順位など決めておきましょう。
ケアマネジャーを取得し、利用者の日常を守るお手伝いを
ケアマネジャーは、介護に関わる専門的な知識だけでなく、長い実務経験を経て習得できる資格です。高齢者の割合が増加し、需要も増えていく中、ケアマネジャーの存在は必要不可欠となっています。介護業界でスキルを磨きたい、利用者に寄り添ったサービスを提供したいと考えている方におすすめの資格です。ケアマネジャーになるまでの過程も含め、人の役に立ちながら、資格取得してみてはいかがでしょうか。
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