介護のお仕事で役立つ資格〜介護福祉士実務者研修とは〜

医療介護

はじめに

日本の高齢化が進む中、介護の需要は増加の一途をたどっています。このような背景の中、介護の質を高めるためには、適切な知識や技術を持った人材が不可欠です。ここで注目されるのが、介護福祉士実務者研修という資格研修です。

介護福祉士実務者研修の重要性

介護福祉士実務者研修は、介護の現場で即戦力として活躍するための基本的な知識や技術を身につけるための研修です。この研修を受けることで、介護の現場での対応力や専門性が向上し、利用者に対してより質の高いサービスを提供することができるようになります。また、この研修を受けることが、介護福祉士の資格試験の受験資格を得る要件の一つとなっているため、キャリアアップを目指す方にとっても大変有益な研修となっています。

定義と目的

介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位研修で、質の高い介護サービスを安定的に提供することを目的に、介護の基本的な知識や技術を身につけたい方を対象としています。この研修の目的は、介護の現場での基本的な知識や技術を習得し、即戦力として活躍するためのスキルを身につけることです。

介護福祉士試験の受験資格との関連性

介護福祉士実務者研修を受講し、一定の条件を満たすことで、介護福祉士の資格試験の受験資格の一部である実技試験が免除されます。このように、介護福祉士実務者研修は、介護福祉士の資格を取得するためのステップとして、非常に重要な位置づけとなっています。

実務者研修の歴史と背景

介護福祉士実務者研修は、日本の介護業界における人材育成のための重要な取り組みの一つとして位置づけられています。この研修がなぜ生まれたのか、そしてその背景にはどのような経緯があるのかを詳しく見ていきましょう。

なぜこの資格が生まれたのか?

日本は急速に高齢化が進む国として知られています。この高齢化の進行に伴い、介護の需要は増加し続けています。しかし、その一方で、介護の現場での人材不足や専門性を持った人材の不足が問題となっていました。このような背景の中、介護の質を向上させるためには、適切な研修や教育が不可欠であるとの認識が高まりました。そこで、介護の現場での即戦力として活躍するための基本的な知識や技術を身につけるための研修として、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修が導入されることとなったのです。

介護福祉士資格の取得方法の見直し

介護福祉士の資格は、介護の専門家としての地位を確立するための重要な資格として位置づけられています。しかし、その取得方法や資格の内容については、時代の変化や介護の現場のニーズに応じて、何度も見直しが行われてきました。特に、実務経験者ルートでの受験資格が、「実務経験3年以上」に加え6ヶ月以上の「実務者研修」の受講(修了)が義務付けられたのは、この見直しの結果として導入されたものです。このような取得方法の見直しは、より多くの専門的な人材が介護の現場で活躍するための道を開くための重要な取り組みとして実施されたものです。

実務者研修と他の資格との違い

介護業界には、実務者研修の他にも様々な資格や研修が存在します。それぞれの資格や研修は、異なる目的や内容を持っています。ここでは、実務者研修と他の主要な資格や研修との違いについて詳しく見ていきましょう。

初任者研修との主な違い

初任者研修は、介護の現場での初めての仕事を始める方を対象とした研修です。この研修を受けることで、介護の基本的な知識や技術を習得することができます。一方、実務者研修は、より高度な知識や技術を身につけるための研修として位置づけられています。

具体的には、実務者研修では、初任者研修よりも詳細な内容や実践的な内容が取り扱われています。また、実務者研修を受講することで、介護福祉士の資格試験の実技試験が免除になる点も、初任者研修との大きな違いとなっています。

多くの方が、介護職員初任者研修を受けなければ介護福祉士実務者研修を受けられないと思っていると耳にします。ですが、実際にはそのようなことはありません。
ただ、実務者ルートからの介護福祉士試験の受験者資格には介護福祉士実務者研修の修了が位置づけられています。

介護福祉士との違い

介護福祉士は、日本の国家資格で、介護実務の上位の資格として位置づけられています。この資格を持つことで、介護の専門家としての知識や技術、そして責任を持って業務を遂行することが期待されます。具体的には、介護計画の作成やチームでのリーダーシップを取るなど、より高度な業務を担当することができます。

一方、実務者研修は、介護福祉士の資格を取得するためのステップとしての位置づけられています。実務者研修を受講することで、介護の基本的な知識や技術を習得することができ、実際の現場での業務をスムーズに遂行するための基盤を築くことができます。

要するに、実務者研修は「基礎」を学ぶための研修であり、介護福祉士はその「応用」を学ぶための資格と言えるでしょう。両者は、それぞれ異なる段階や役割を持ちながら、介護業界での専門的な知識や技術を習得・発揮するための重要な要素となっています。

実務者研修のカリキュラム内容

介護福祉士実務者研修は、介護の現場での即戦力として活躍するための基本的な知識や技術を身につけるための研修として位置づけられています。この研修のカリキュラム内容は、実際の介護の現場で求められる知識や技術を網羅的に学ぶことができるように設計されています。

受講科目と時間数の概要

実務者研修のカリキュラムは、介護の基本的な知識や技術を学ぶための科目が多数設定されています。具体的には、身体機能の基礎知識、介護技術の基礎、コミュニケーション技術、リーダーシップやチームワークに関する知識など、多岐にわたる内容が取り扱われています。また、これらの科目は、座学はもとより実際の介護の現場での実践を想定した形で学ぶことができるように、実技研修やグループワークなどの形式で行われます。研修の時間数は、450時間(介護職員初任者研修受講者には免除があり320時間)となっています。

※参照:厚生労働省H23年11月4日社援基発1104第1号『実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について』

実務者研修の受講費用と期間

介護福祉士実務者研修を受講する際には、受講費用や研修の期間など、さまざまな点を考慮する必要があります。ここでは、実務者研修の受講費用や期間について詳しく見ていきましょう。

費用の相場

実務者研修の受講費用は、研修を提供する機関や地域、研修の内容などによって異なります。一般的には、無資格者の場合は7〜15万円、介護職員初任者研修修了者の場合は5〜10万円の場合が多いです。また、教材費や実技研修の際の材料費など、別途必要な費用も考慮する必要があります。受講を検討する際には、複数の機関の受講費用を比較し、自身の予算や研修の内容を考慮して、最適な機関を選択することがおすすめです。

取得までにかかる時間・期間

実務者研修の期間は、研修の内容や受講する機関、受講者の都合などによって異なります。一般的には、無資格者の場合6ヶ月から1年程度の期間で研修を完了することができることが多いです。研修は、平日の日中に行われることが多いですが、夜間や週末に研修を提供する機関もあります。また、通学が難しい方のために、通信教育での研修を提供する機関も存在します。受講を検討する際には、自身の都合や生活スタイルを考慮して、最適な研修の形態を選択することが重要です。

働きながらの実務者研修受講のポイント

介護福祉士の受験資格に「3年以上の実務者経験」が必要なことから、実際に介護職員として働きながら実務者研修に通う方が多いです。
忙しい実務の間に、受講するためのポイントをいくつかご紹介しましょう。。

振替制度の活用方法

多くの研修機関では、受講者の都合に合わせて振替制度を提供しています。この制度を活用することで、仕事や私生活の都合で研修に参加できない日があっても、他の日に振替て研修を受講することができます。振替制度を活用する際のポイントは、事前に研修機関に連絡をして、振替の日程を確認することです。また、振替の回数には制限がある場合があるため、その点も事前に確認しておくことが重要です。

通学と自宅学習の組み合わせ

実務者研修のカリキュラムは、通学での授業と自宅学習の組み合わせで進められることが多いです。通学での授業では、実技研修やグループワークなど、実際の介護の現場での実践を想定した内容が取り扱われます。一方、自宅学習では、教科書や教材を使用して、基本的な知識や技術を学ぶことができます。働きながら研修を受講する際のポイントは、通学と自宅学習のバランスを適切に取ることです。具体的には、通学の日程を確認した上で、自宅学習のスケジュールを組むことで、効率的に学習を進めることができます。

実務者研修を受けるための条件と注意点

介護福祉士実務者研修を受講するためには、特に要件は決められていません。しかし、研修を提供する機関によっては、初任者研修の修了が要件となっている場合もありますので、申し込みの前にかならず確認しましょう。

まとめ

本記事を通じて、介護福祉士実務者研修の詳細やその重要性、さらには介護業界での資格の役割について深く探ることができました。ここでは、そのまとめとして、再び実務者研修の重要性と、今後の介護業界での資格の役割について触れていきます。

介護福祉士実務者研修の重要性の再確認

介護福祉士実務者研修は、介護の現場での即戦力として活躍するための基本的な知識や技術を身につけるための研修として位置づけられています。高齢化が進む日本において、質の高い介護サービスを提供するためには、専門的な知識や技術を持った人材が不可欠です。この実務者研修は、そのような人材を育成するための重要なステップとなっています。

今後の介護業界での資格の役割

今後、介護業界はさらに専門性が求められる分野となるでしょう。その中で、介護福祉士や実務者研修などの資格は、専門的な知識や技術を持った人材を確保するための重要な手段としての役割を担っていくことが予想されます。また、資格を持つことで、介護の現場でのキャリアアップのチャンスも広がります。資格を取得することで、自身のスキルアップはもちろん、介護業界全体の質の向上にも貢献することができるのです。

最後に

今回の記事では、介護の研修「介護福祉士実務者研修」をご紹介させていただきました。

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