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2024年介護保険制度改定の背景
日本は急速に高齢化が進む国として知られています。この高齢化の進行とともに、介護のニーズも増加しており、それに伴い介護保険制度の適切な運用と改善が求められています。
2024年度の介護保険制度改定は、これまでの制度の課題や新たなニーズ、さらには経済的な背景や技術の進化など、多岐にわたる要因を踏まえたものとなっています。
2025年には人口数の多い団塊の世代のすべてが後期高齢者になる年です。この「2025年問題」に向けた2024年度の介護保険制度改定は、重要な法改正になることが予想されています。
2024年介護保険制度改定における注目ポイント8つ
2024年度の改定には、多くの注目ポイントが含まれています。各ポイントごとに2024年の介護保険制度改定で改善が期待されることや懸念点を考えていきましょう。
訪問介護・通所介護の複合型サービスの創設
新たに導入されるこのサービスは、訪問介護と通所介護を組み合わせたもので、利用者のニーズに応じた柔軟なサービス提供が可能となります。具体的には、通所介護利用者が通所介護利用の前後に自宅での介護が必要な場合、通所介護職員が自宅内での介護も行うことができます。これにより、昨今問題視されている訪問介護の人員不足の解消が期待できます。しかしながら、すべての通所介護が人材にゆとりがあるわけではなく、この複合サービスを取り入れられる事業所は少ないのではないかという見方もあります。
2割自己負担の対象拡大
これまでの制度では、一部の利用者が2割の自己負担を行っていましたが、2024年度の改定では、この対象が拡大されることが検討されています。介護保険は、被保険者の収入により、基本は1割負担、年収が280〜340未満が2割負担、340万円以上の年収で3割負担となっています。介護サービスを利用する多くの高齢者は1割負担でサービスを受けていますが、2024年の改定により2割負担の対象者が拡大されると、今まで実質倍額の負担増となるサービス利用者が発生します。
自己負担割合が上がることで「施設利用料が払えなくなる」などの不安の声もあり、こちらは2023年末まで結論が延期となっています。
財務諸表の公表義務化
透明性の向上を目的として、社会福祉法人以外の法人にも財務諸表の公表が義務付けられます。改正以降は、校正狼毫症の介護サービス情報公表システム上で各事業所の財務諸表を確認できるようになります。
介護予防支援事業所の拡大
介護予防の重要性が高まる中、介護予防支援事業所の拡大が予定されています。今までは、各地区の地域包括支援センターが介護予防サービスの利用希望のある利用者と契約。地域包括支援センターのケアマネが居宅介護予防支援を担当するか、地域包括支援センターと委託契約のある地域の居宅介護支援事業所のケアマネが担当していました。2024年の改正後は、地域の居宅介護支援事業所でも介護予防支援サービスを提供できるようになり、地域包括支援センターの負担が軽減できます。
処遇改善加算の一本化
現在、処遇改善加算には3つの種類があります。
・介護職員処遇改善加算
・介護職員等特定処遇改善加算
・介護職員等ベースアップ等支援加算
従業員の待遇改善を目的とした加算が一本化されることで、よりシンプルでわかりやすい制度となります。これにより、手続きの煩雑さが軽減され、現場の生産性工場が期待できます。
科学的介護のさらなる推進
データや技術を活用した科学的な介護の推進が予定されています。具体的には、利用者のサービス利用内容や、介護サービスを受けたことによる介護度の変化などのデータ週数を行い分析します。分析された情報を解析しフィードバックを得ることで、質の高い介護が提供されることが期待されます。
福祉用具貸与のみにおけるケアプラン費のカット
福祉用具の貸与に関して、ケアプランの作成費がカットされることが予定されています。貸与品を購入品の対象にすることが議論されており、長期レンタルで発生する介護報酬が減るとともに、福祉用具利用だけの利用者には居宅介護支援サービスが不要となり、ケアプラン作成も不要となります。
不要な介護保険支出を減らす目的があるようですが、居宅介護支援サービスが不要となりケアマネが毎月訪問しなくなることで利用者が孤立しやすくなる可能性があるとの指摘や、福祉用具関連団体からの反発もあり、現在議論中のようです。
介護業界における小規模法人の大規模化
経営の効率化やサービスの質の向上を目的として、小規模な法人の大規模化が提言されます。介護サービスを提供する多くは小規模法人で、政府は「小規模法人を大規模化することで、業務効率の促進や感染症発生時のスムーズな業務継続につながる」としています。
一方で、現場からは優良な小規模法人が大型化することで、管理が難しくなり、優良性がなくなってしまうのではないかとの懸念の声も上がっています。
2024年介護保険制度改定で見送りが決定した2つの事項
2024年度の改定では、いくつかの事項が見送りとなりました。これらの事項は、今後の改定で再び議論の対象となる可能性があります。
要介護1・2における総合事業への移行
要介護1・2の利用者に対する総合事業への移行は、今回の改定では見送りとなりました。この移行は、介護費の抑制やサービスの効率化を目的としていましたが、実施にはサービスの質の低下や事業所の撤退の懸念があると判断され、今回の改定では見送りとなりました。
ケアプランの有料化
ケアプランの有料化に関する議論も、今回の改定では見送りとなりました。ケアプランの作成は現在介護保険10割負担のサービスです。ケアプラン作成の有料化は、「利用者や家族からの要求がエスカレートしかねない」「利用料管理の業務が増える」などの理由から、今回の改定では見送りとなりました。
まとめ
2024年度の介護保険制度改定は、多くの新たな取り組みや変更点が予定されています。これらの変更は、介護の現場や利用者にとって大きな影響をもたらすことが予想されます。今後の動向や、これらの変更がもたらす影響について、引き続き注目していく必要があります。
最後に
今回の記事では、介護業界にこれから起こる変化を簡潔にまとめてご紹介させていただきました。
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